ADSLとは? - ADSL
ADSLの登場によって、インターネットの常時接続が一気に普及しました。今では光ファイバーが主流ですが、地域によってはADSLも現役です。パソコン初心者の方のために「ADSLとは?(ADSL)」についてお伝えします。
ADSLの特徴
ADSLは「Asymmetric Digital Subscriber Line」(非対称デジタル加入者線)の略です。
ADSLが登場する前は一般の電話回線(NTT)を使って、インターネットをしていましたが、速度がとても遅く、今のようにインターネットが普及するなんて考えられませんでした。
NTTのISDNというブロードバンドの先駆けもありましたが、初期費用や月々の料金も高く、工事も必要なため、企業が使っている程度だったのです。
そんな中、画期的な技術が発明されました。それがADSLです。
ADSLが画期的だった訳
どうして画期的かと言いますと、一般の電話回線(NTT)がそのまま使えるため、宅内工事を一切しなくても、ブロードバンドができるようになるのです。
電話機から壁に繋がっているケーブルはモジュラージャック(電話線のコンセントみたいなもの)から、近くの電話局(NTT)に繋がっています。
そのケーブルは電話だけのものでしたが、調査したら「電話以外にも使える場所があるぞ」となり、ADSLの仕組みが開発されました。
一般の電話回線(NTT)を使うにも関わらず、インターネットをしていても電話が繋がります。
ADSLのおかげで広まったブロードバンド
ADSLは一般の家庭に事実上初めて現れたブロードバンドでの常時接続(ずっとインターネットを使っていても料金は変わらない)で、月々の料金は2500円~5000円ぐらい(プランによります)とそれほど高くない料金です。
宅内工事は必要ありませんが、NTTの電話局内での工事が必要なため、申し込みから開始まで10日ぐらい必要です。自宅ではモデムと呼ばれる機器をパソコンと電話に繋ぐだけです。
Yahoo! BBが街頭でモデムを無料で配っていたのを覚えている人もいるかもしれませんが、その手法はともかく、ADSLのおかげで初心者の人の間にもインターネットが爆発的に広まりました。
電話回線(固定電話が通じるところ)であれば、基本的にどこでもADSLは利用できますので、今でも光ファイバーの対象地域になっていない場所では、ADSLが主流です。
ADSLの速度
ADSLの速度は、プランによって異なり、1Mbps~50Mbpsです。
光ファイバーが最大100Mbps(実質は20Mbps~50Mbps)のため、ADSLは最大でもその半分、遅いプランだと100分の1です。
インターネットで情報を見たり、メールを送るぐらいでしたら、10Mbpsもあれば十分なので、ほとんどの人、特にパソコン初心者の方は、光ファイバーでなくても、ADSLで十分なのです。
光ファイバーの業者(NTTやKDDIなど)の宣伝と営業力は凄まじいので「光ファイバーじゃなければインターネットじゃない」というイメージになっていますが、そんなことは全然ありません。
「ADSLと光ファイバーのどちらがいいか?」と聞かれれば、答えは「光ファイバー」です。しかし、パソコン初心者の方でしたら、ADSLでもインターネットが十分に楽しめます。
ADSLはNTTの基地局との距離によって、同じプランでも速度が異なります。NTTの基地局から離れれば離れるほど、速度が遅くなり、4kmを超えるとADSLが利用できないこともあります。
ADSLの料金
ADSLは固定電話(自宅の電話番号)の有無、マイライン(電話会社の選択)、モデムのレンタル料、プロバイダなど、条件によって、料金は変わりますが、大まかな月額料金はプロバイダ料金を含めると、10Mbpsで3,500円ぐらい、50Mbpsで5,000円ぐらいです。
独り暮らしで固定電話(自宅の電話番号)がなく、携帯しかない人は、もう少し月額料金が高くなります。
それに工事料金(無料が多いです)や登録料が加わります。
会社によってことなりますので、詳細は、Yahoo! BB、au one net、フレッツADSL、イー・アクセスをご覧ください。
ADSLの問題点
一般の電話回線(NTT)を使うため、インターネットの速度が不安定なところがあります。特にNTTの電話局から離れている場合は、速度が低下します。
しかし、電話局から離れていても速度が落ちない技術も開発されています。
ADSLの会社(回線業者)とプロバイダ
ADSLを扱っている会社は大きく分けて2種類あります。地域限定の会社もありますが、ここでは全国的に有名な会社をお伝えします。
ADSLとプロバイダを兼ねている会社
Yahoo! BB
au one net
ADSLだけを扱っている会社
フレッツADSL
イー・アクセス
それぞれの会社の特徴、速度、料金などの詳細は、Yahoo! BB、au one net、フレッツADSL、イー・アクセスをご覧ください。
プロバイダ
NTTが運営する「OCN」、KDDIが運営する「ODN」、NECが運営する「BIGLOBE」、ソニーが運営する「So-net」、「@nifty」、「plala」など、大手のプロバイダであれば、どれも大差がありません。
プロバイダについての詳細は「プロバイダ(インターネットについて)」をご覧ください。
IP電話
IP電話とは一般の電話回線(NTT)を使わずに、ADSLのモデムを通じた電話です。
全国一律料金で一般の電話回線(NTT)よりも料金が安いため、ADSLが世の中に出始めたころは評判でしたが、今までの電話番号が使えず「050」から始まる番号に切り替わってしまいます。
携帯電話や固定電話のナンバーディスプレイが普及し、「自分の知らない電話番号からかかってきてら電話にでない」という人が多いため、IP電話は思ったよりも広まりませんでした。
その点、光ファイバーの「光電話」は電話番号もそのままで料金が安くなるため人気があります。
詳しくは「光ファイバーについて(光ファイバー)」をご覧ください。
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